住民の不安を解消できないような研究所の建設には反対です

 

鎌 倉 市   添  田  信  雄

 
 

 私は、鎌倉市植木に住んでいる添田信雄です。ちょうど敷地から750メートルぐらい北です。当時の鎌倉郡玉縄村植木というところで生まれて、83年生きてまいりました。昭和16年に昌運工作所ができる前、あそこ全体は田んぼでございました。今回、えらく恐ろしい研究所ができそうで、地震のときに一体これはどんなものになろうか、非常に不安です。

 

武田薬品工業の説明会の持ち方と範囲について

 まず最初に、武田薬品工業の説明会の持ち方と範囲について申し上げます。遺伝子の組換えや物理的な封じ込め、P1からP4までを主にした説明会を再度やるように要請いたします。従来の建物の規模や排水の量だけではなくて、遺伝子組換えといったものを主とした説明会をやっていただきたい。
 説明会に参加した大多数の人は、会社が配布したチラシでは分からず、住民からの質問に対する会社の答えによって、初めて、「危険なものができるんだ」と認識したんです。私も、その一人でございます。
 したがいまして、こういう説明会を、範囲を半径3キロメートルと限定することなく、関係当局の指導下で徹底的に開くことを要請いたします。

 

住民の不安の実態を知って

 2番目には、大気汚染、土壌汚染、廃棄物・発生土についての住民の不安の実態を知っていただきたい。たとえば、実験動物の死骸焼却設備のことです。
 工場敷地から西へ約100メートルのところへ5年前に新築をなさって、2歳の子供さんをお持ちの若夫婦がおいでです。すぐ西側は、ご存じのとおり山です。東は、非常に高い会社のビル。それから北になると、今度は、病院、これも40メートル。そうすると、この方の一番心配は谷間になると。そこで、風のないとき、焼き場のにおいは一体どうなるのか、非常に心配している。4箇所の説明会、玉縄青少年会館、富士塚小学校、村岡公民館、高谷の小学校、全部に行っておられます。質問もしています。そして、「今もって不安は消えていません」と、おっしゃっています。
 武田さん、こういう住民の不安は現在も続いているんです。完全ににおいのない、実験動物死体の焼却施設はできるんですか。声を大にして私は要請します。天下の武田は、名誉にかけても町中にこういうような火葬場は作ってほしくない。考え直してもらいたい。

 

県や市の問題

 3番目には、県や市の問題です。危険な漏洩に対して、厳格な規制を県や市で制定すべきであります。それから、厳重な監視の機関を作るべきです。説明会や意見書に対する回答でも、武田は「法に基づいて、規則に基づいてやる」と表明しております。しかし、残念ながら効力のある規制がありません。危険な細菌が漏れたらどうなるでしょうか。非常に不安です。東海村の放射能の事故がありました。「注意してやります、やります」と言っても、人為的なミスはなかなか防げません。そういう点で私らは物騒なものは来るなというように感じております。かつて、武田には薬害スモン事件やチクロ事件がありました。古い方はお覚えだと思いますが。
 住民の不安を解決するのが県や市です。県や市は、私たち住民を助けてください。これは規則を作ることです。厳格な規則を作ることです。大阪府の茨木市の彩都の環境保全対策指導指針〔=茨木市彩都(国際文化公園都市)内におけるライフサイエンス系施設に係る環境保全対策指導指針〕以上のものを、是非制定していただきたいと思います。県や市では、随時立ち入り検査のできる監視機関を是非作ってもらいたい。
 県ではインベスト事業で武田を招致しましたけれども、そのことによって、「おいで、おいでしたんだから」と言って、甘く扱ってもらいたくない、厳格にやってもらいたい。そのことを強く要求するものであります。

 

武田薬品工業に対して

 最後に武田さんに申し上げたい。規制の弱い神奈川においでになって、規制が弱いですから、いろいろな事故が起きないとも限りません。起きる可能性は十分あります。
 それよりも、あなた方のふるさとである大阪で、事業を、厳しいところでやっていただきたい。これは長い目で、武田さんが、天下の武田さんが、会社の生命、権威を守るためにはいいんじゃないか。私はそういうように考える年寄りの一人であります。会社は、そこのところをもう一回、長い目で考えていただきたい。

大船フラワーセンターの花
 
(本稿は、2008年7月5日に行われた公聴会での発言に加筆していただいたものです。)